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扶養控除ってもう無い?

扶養控除ってもう無い?

どんな記事?

・扶養控除は扶養親族がいる時に受けられる所得控除

・制度が変わると、女性の働き方に大きな変化がもたらされる

・制度を変える目的は、短時間労働者へのセーフティーネット

・保険料の負担が大きくなる可能性がある

 

 

(内容)

前回に引き続き、今回は扶養控除についてです。

 

扶養控除とは、16歳以上の扶養親族がいて、生計を一にしている時に所得控除が受けられる制度です。しかし、この扶養控除も廃止される可能性があるのです。

 

新しくなる制度の現在最も有力なのが、夫婦世帯が対象となる新しい控除を創設することです。これは、配偶者の収入と無関係に適用され、”どのように働いても結果が同じになる”という中立的な制度となる見通しです。”夫婦で子どもを産んで育てていこう”とする夫婦への優遇策であり、これまでの扶養控除とは全く異なった制度になると見られています。

 

扶養控除が廃止され、新しい制度が導入されれば、女性の働き方に大きな変化がもたらされるでしょう。なぜなら、パート主婦や専業主婦に対しての税の優遇がなくなってしまうからです。そうなると、家計の安定のために世帯の収入アップは絶対に欠かすことのできないものとなってきます。これまで、”奥さんが年収103万円を超えてしまうと損”、という意識が広くありましたが、これがなくなるので共働きで不況を乗り切ることになるかもしれません。

 

さらに、奥さんが年収130万円までならば、健康保険や年金の被扶養者なので保険料の負担が必要ありませんでしたが、一部の人はこれが106万円までに引き下げられます。2016年10月から、パートをはじめとする短時間労働者が対象の厚生年金適用基準が拡大されるためです。

 

目的は、短時間労働者へのセーフティネット拡大ですが、保険料負担はかなり大きくなります。週に20時間以上、年収106万円以上、勤務期間1年以上、従業員が501人以上いる企業、という全ての基準を満たせば厚生年金に加入することになるのです。

 

(まとめ)年収がある一定額を超えると税金を払う必要があります

①所得税・・・103万円超(給与所得控除65万円+基礎控除38万円)

②社会保険料・・・130万円超(給与所得控除65万円+非課税限度額35万円)

③住民税・・・100万円超

 

このような現状があるので、あらかじめしっかりと今後のことを考える必要があります。また、普段から新聞やニュースなどで扶養控除についてチェックするようにしましょう。

 

 

マイナンバー制度のメリット・デメリット

マイナンバー制度のメリット・デメリット

どんな記事?

・マイナンバー制度の目的は、”国民の管理の効率化”と”社会保障・サービスの充実”

・メリットとして、役所で待つ時間が短くなる可能性がある

・デメリットとして、個人情報が漏えいする危険性がある

・他人に、個人情報を悪用される可能性がある

 

 

(内容)

もう、マイナンバーの申請は済ませたでしょうか?今回は、もう一度マイナンバーのメリット・デメリットについて振り返ります。

そもそも、マイナンバー制度を導入する目的は”国民の識別・管理を効率的にする”、”社会保障やサービス充実させる”ためです。

 

〇マイナンバー制度のメリット

マイナンバーがあることによって、公的機関で皆さんそれぞれの番号によって情報管理ができます。つまり公的機関の横のつながりで、私たちの個人情報の共有がスムーズになるのです。

役所で手続きするときにやけに時間がかかって、”早くしてほしい・・・”と思ったことがある人も多いのではないでしょうか?

これは個人情報のやり取りに手間取っていたからです。しかし、マイナンバー制度が導入されると、数字入力すればデータの連携もスムーズになるので、手続きにかかる時間を大幅短縮できる可能性があります。手間が省けることによって、コストを省くことができるでしょう。それまで情報伝達に費やしていた人件費を削減することができます。

また旧来のやり方だと、多くの人を介する必要がありました。しかし人が多くかかわれば関わるほど、何らかのミスが起きるリスクも高くなってしまいます。しかしマイナンバー制度を導入すれば、人的手続きも少なくなるため、ミスが起こりにくく、もし起こったとしても間違いを発見しやすいと言うメリットがあります。

 

〇マイナンバー制度のデメリット

最初に、特に問題視されるのはプライバシーの侵害です。情報を公的機関で共有しやすいということは、サイバー攻撃が官庁にあると自分たちの個人情報が漏えいする危険性があります。正しく職員が個人情報を取り扱えば良いですが、悪意をもった職員がいると税金などの情報を悪用する可能性もあります。

現在マイナンバー制度は税金や社会保障だけに限定されていますが、今後は銀行口座や犯罪歴なども関連づけられる可能性があります。あらゆる情報を一元管理されると、もしそれが流出してしまった場合、自分の細かな情報が他人の目に触れてしまう恐れがあるのです。もし口座情報が流出すれば、誰かに口座に預けていたお金をだまし取られるといった事態も十分想定されます。

 

海外の年金制度-東南アジア編-

海外の年金制度-東南アジア編-

どんな記事?

・東南アジア諸国でも高齢化が進みつつある

・タイには「プロビデント・ファンド」という任意加入(上場企業は強制加入)の制度

・シンガポールは定年退職後などの保障として設置されている、国による強制積立金制度

・インドネシアやフィリピンは公的年金制度は存在しないが、医療保険制度が確立

 

 

(内容)

今回は、東南アジア諸国の公的年金制度について見ていきます。

 

タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピンなど、日本と比べるとまだ先進国とは言えない東南アジア諸国でも徐々に高齢化が進みつつあります。日本と同様に、東南アジアでも高齢化に伴って問題となっているのが、年金制度や医療保険などの社会保障制度です。

 

まず公的年金制度について、東南アジアの中でも年金制度を含めた社会保障制度の充実を積極的に行っているのがタイです。タイでは年金積立制度の1つとして「プロビデント・ファンド」という任意加入(上場企業は強制加入)があり、大企業を中心に約8700社で採用されています。これは日本の401Kのようなもので、従業員と雇用者が毎月半分ずつ出し合って積み立てた資金をファンドマネージャーが運用し、それによって出た利益と元本とを従業員の退職時に合わせて支給するというものです。従業員の積立額は月収の3~5%ほど、給料から天引きされています。プロビデント・ファンドは高い収益が見込まれる上、退職までは引き出すことができないので確実な貯蓄となり、税制上でも優遇処置を受けることができるのがメリットになっています。

 

一方、シンガポールの年金制度は「CPF」と呼ばれるものです。従業員が定年退職後、あるいは不慮の事故等により働けなくなった場合の保障として設置されており、国による強制積立金制度です。従業員は給与の20%、雇用者は給与の14.5%が積立金として天引きされ、政府によって管理されます。積立金には2.5%の利子がつき、それら全ては非課税となります。積立額より将来受け取る額の方が少ないという事態が発生せず確実に受け取ることができるのがメリットですが、支給期間は積立金が尽きるまでとなっているため、長生きしすぎると資金不足になる恐れがあるのがデメリットです。

 

一方、インドネシアやフィリピンには公的年金制度が存在していませんが、シンガポールにはない「BPJS」や「SSS」といった医療保険制度も確立されています。

 

 

海外の年金制度-ヨーロッパ編-

海外の年金制度-ヨーロッパ編-

どんな記事?

○スウェーデンでは一定の所得があると、保険料の負担の義務が発生

○さらに、最低保障年金もあり、低所得の人などでも年金が受給される

・イギリスの制度は、支払い免除の期間が受給資格の判定に影響しない

・ドイツでは職業ごとに加入する年金制度が異なる

 

 

(内容)

前回に引き続き、今回も海外の年金制度について見ていきます。

 

ヨーロッパの公的年金制度の中で、独特な制度を持っているのがスウェーデンです。1999年にスタートし、スウェーデン方式と呼ばれるこの制度は、日本と異なり年齢や職業とは無関係に、一定の水準を上回る所得があれば、保険料を負担するよう義務付けられています。所得に18.5%と固定された保険料率を掛けることで保険料が計算され、その範囲内で給付を行うという自動財政均衡メカニズムを導入しているのが特徴です。保険料が固定されているため、次世代の負担が増えないようにしています。

自営業者は保険料を全額自己負担、被用者は事業主と被保険者本人が負担することになっています。所得比例年金以外に、財源の全額が税金である最低保障年金もあり、”保険料を負担していない低所得の人などでも年金が一定額は受給できる”、というものになっています。

 

ヨーロッパで在留邦人が最も多いイギリスの公的年金制度は日本とよく似ており、2階建ての仕組みになっています。自営業者も被用者も共通の基礎年金、そして基礎年金に上乗せされる被用者対象の国家第二年金の2つに分けられます。基礎年金は16歳以上で一定以上の所得のある人は強制的に加入しなければならず、それ以外の人は保険料の納付が免除となります。

日本と異なるのは、免除を受けた期間が受給資格判定に加算されないところで、年金受給の権利を取得するには任意加入が必要になります。なお、基礎年金に強制加入した人は国家第二年金にも強制加入になります。ただし、個人年金、職域年金のような私的年金加入を選択すると、国家第二年金への加入は免除になるだけでなく、第一種保険料から国家第二年金の保険料相当分の金額が免除になります。

 

ヨーロッパで在留邦人がイギリスの次に多いドイツの年金制度は、日本と違って基本的に職業ごとに加入する制度が違います。最も対象者が多いのが一般被用者年金保険で、その保険料は月収に保険料率を掛けた金額です。被用者の場合は事業主と折半して負担、それ以外の加入者は全額自己負担となっています。被用者のうち、週に15時間以内の労働時間、かつ一定額以下の収入である場合、被用者の負担は軽減されます。また保険料収入に不足があれば国庫負担となり、2015年現在は給付費用のうち30%程が国庫負担です。

 

 

海外の年金制度-アメリカ編-

海外の年金制度-アメリカ編-

どんな記事?

・アメリカの公的年金制度は”OASDI”(退職・遺族・障害保険制度)

・一般被用者は加入が義務付けられている

・年金制度の強制加入対象者ではない人は、希望しても加入できない

・受給資格として、原則10年間の加入が必要

 

 

(内容)

アメリカの公的年金制度は、”OASDI”(退職・遺族・障害保険制度)となっています。

 

この制度は、自営業者・公務員や民間企業の会社員のような一般被用者は加入することが義務付けられています。自営業者は年収400ドル以上と定められていますが、自営業者も一般被用者も年齢とは無関係に仕事を続けている間は、OASDIへの加入が義務となっています。ただし、一部に例外はあります。

この制度は1937年にスタートした制度で、始まったばかりの頃は公務員は適用の対象外でした。2015年では、連邦政府職員のうち1984年以降に採用された人は強制加入、州や地方の政府職員は協定によって、団体での任意加入が可能となっています。そのため、公務員はこの制度だけでなく、独自に年金制度をもっていて、上乗せすることができます。

 

日本では専業主婦は第3号被保険者、無職や学生の人は第1号被保険者に該当しますが、アメリカのOASDIにはこれらの人は加入できません。アメリカでは日本の個人単位での任意加入制度にあたるものがなく、希望していても強制加入対象者ではない人の場合、加入できないという仕組みになっています。

 

OASDIには、大まかに分けて4種類あります。老齢年金、家族年金、遺族年金、障害年金です。日本にはない家族年金があるのが特徴と言えますが、これは18歳未満の子供、老齢年金受給者の配偶者に支給されるものなので、日本で言う老齢厚生年金の加給年金額に相当します。

なお、OASDIはその受給資格として、原則10年間の加入が必要となっています。しかし、日本とは保険料納付要件が異なった考え方となっています。日本の場合、月単位での保険料納付要件判定が行われていますが、アメリカでは四半期ごとに1年の収入に応じ、1単位としてカウント、最高4単位が付与されて10年相当となる40単位で受給資格が満たせます。支給開始年齢は2002年から段階的に引き上げられ、2009年から2020年の間は66歳となっています。1960年以降に生まれた人は、67歳からの支給開始予定になっています。

 

さらに、上記で説明した公的年金に上乗せされるものとして、企業年金があります。 企業年金には、大別すると”確定給付型企業年金プ ラン”及び”確定拠出型企業年金プラン”の2種類があります。

 

確定給付型企業年金プランの特徴とは、

①加入者に対して、 勤務年数、給与等を考慮し予め給付額を約束していること

②拠出金 の拠出は事業主のみで、加入者からの拠出は必要 としない

 

一方、確定拠出型企業年金プランの特徴とは、

①給付額は、受給時までに制度に拠出された拠出金の合計額と、加入者(被用 者)が選択した方法での運用実績によって、事後的に決定される

②拠出金の拠出は、加入者が行 うものを基本としつつ、事業主からの一定の追加拠出 を認めている

 

企業年金プランは任意であ り、法的に強制されていません。日本でもよく耳にするかもしれませんが、日本版401kのもとになっているものです。